布団派かベッド派かだって?そろそろ本気で答える時が来たようだ。
今週のお題「布団派? ベッド派?」
「布団派かベッド派かだって?それは、本気で聞いてるのかい?
あんた、この辺りじゃ見かけない顔だけど、この街にはこの街の、ルールってもんがあるんだぜ?」
淡々と、しかしある質量を持った店主の言葉は、怒号と下品な笑いに満ち満ちていたはずの店内に、静かに響き渡った。
男どもの重心が数ミリ下がったのがわかる。これだけの人数ともなると、一人ひとりのその数ミリが、店内を覆う大気の圧力を変えてしまうのだ。
「あんた、あの子の何なのさ?」
なんつー、ちょっと時代がかった話はどーでもよくて。
さらに、この布団派かベッド派かもどーでもくて。
でもだからこそ、いっちょ本気で答えてやろうじゃないか。え?
サラッと答えると思って、このお題チョイスしたんだろ?え?え?
そーは問屋が消費税増税分を価格転嫁しますよ、だ。
布団派かベッド派か?本気で考えてみる。
まずは布団とベッドで何が違うのか?改めて問いなおしてみる必要があるだろう。
布団
布団(ふとん)は日本で広く用いられる寝具のひとつ。畳やベッドの上に敷いて、睡眠時に用いる。主に、人が上に横たわるための敷き布団(しきぶとん)(Mattress) と、人の上に被せる掛け布団(かけぶとん)(Duvet) に分けられる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%83%E5%9B%A3
ベッド
奈良時代以前に中国より伝わった。正倉院には聖武天皇のベッドが保存されており、かなり早い段階から皇族や貴族、高級官僚などの間で使用されていた。しかし平安時代に畳の出現と共に居住空間の様式が変化し廃れる。一般には当初から広まらなかった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%89
あれ?おい、嘘だろ?ベッドって奈良時代にあったの!?
じゃあ何も洋モノとも言い切れないんだね。
ココで一つ、この布団ベッド問題を考える上で重要な事がわかった。
ベッドは必ずしも「洋風」なものとは言い切れない。
つまり、布団派かベッド派かという問いに対して、文化的な差異を持って論じる必要性は無いのだ。これは大助かり。
そしてもう一つ。
布団かベッドかは、「畳か否か」で決まる。
これも重要な事実である。
もちろん、現代において我々は、畳敷きの部屋に無理やりベッドを置いてよい自由を持っている。
同時に、畳にベッドの足の跡をクッキリ残してもよい自由を持つ。
大家から原状回復費用を請求された場合に、多少強気に反論できる自由があっていいはずだと、一部で論争になっているとかいないとか。いや、いないよ。いるわけないだろ、そんな馬鹿。
何はともあれ、「畳か否か?」というファクターも、布団ベッド問題に大いに関わってくるのである。
つまり、「布団派かベッド派か?」という問題は、次の2つに因数分解することが出来る。
「部屋が畳か?」
「畳onベッドを許せるか?」
なんとなくだけど、畳onベッドって「ウォーキングデッド」に似てるなぁ、なんて思ってたら、onベッドの部分だけだったよ。
さて、ではこの2つの質問について検討を続ける。
部屋が畳か?
実はこれは、本人の意志や価値観とは無関係な、物質的な環境の話しである。
従って、考える余地は無い。ただ、ありのままを答えればいいのだ。
私の場合には、これはYesである。畳だ。
これを読んでいる賢明な方ならお気づきであろう、「じゃあフローリングだったらどうなるのよ?」と。
ご安心あれ。その場合には、畳onベッドが、フローリングon布団になるだけである。
そのフローリングon布団が許せるか否かという問いに置き換えればいいのだ。
まあ、かくいう自分もフローリングon布団、否、フローリングonせんべい布団をやったことがあるが、おすすめできない。
安アパートの1F1Rに地面から伝わる冷気は、この地球の内側にマグマがあるという話を疑うに充分である。
床暖房(あるいはホットカーペットの類)でもお持ちのセレブリティは、フローリングon布団を選択する自由を持っているわけだから、もうなんか格差って考えだすとやってらんねぇよね。
って、あの冬、寒さと情けなさで泣きながら、ダンボールの中に布団を敷いて眠った私が言ってますよ。
畳onベッドを許せるか?
あるいは、フローリングon布団を許せるか?
つまる所、布団派かベッド派かはこのファクターに依る部分が大きい。
畳なのにベッド置いたり、フローリングなのに布団を敷いたりする人は、畳じゃなくてもベッドだし、フローリングじゃなくても布団なのだ。
一方、畳にベッドを起きたくない人は、畳なら布団、フローリングならベッド、という選択をするはずだ。
おや?つまり布団派かベッド派か?これは、ある一つの深層心理を問う質問と言い換えることが出来そうだ。
つまり、畳には布団(あるいはその逆)という人は、環境要因でもって就寝環境を決定し、畳onベッド(あるいはその逆)を許せる人というのは、環境要因にかかわらず就寝環境を決定する、ということになる。
もっと簡単に言えばこうだ。
畳か否かで、布団かベッドか決める人は、調和を重んじる。
布団かベッドかで決める人は、自らの嗜好を重んじる。
ということは、だ。
布団派かベッド派か?という問いは、まずそのどちらかを選択する前に、「規律か自由か?」どちらが大事だと考えているか、暗に尋ねられているのである。
規律か?自由か?
難しい問題である。社会において、どちらか一方だけを選択するのは極論というものだろう。
しかし、こと家の中ならばどうだろう?
どちらかを選んでもいいのではないか?
なんなら、もう畳なんてひっぺがして、靴に入ってる衝撃吸収ゲルみたいなのタップタプに満たして、「うーわー、ふにゃふにゃー」なんていいながら寝てみたって、それが自分の持ち家だったらなんも言われないではないか。
自分の持ち家だったらなんも言われないではないか。
持ち家だったら…
ここで再び格差にぶち当たってしまった。
そうなのだ。金さえありゃなんでもいいんだよ。実際。
だから、布団派とかベッド派とか、そんなのも金さえありゃどっちも使ったらいいじゃない、って話ですよ。旦那。ゲヘヘヘヘ。
以上のことを踏まえて、結論めいた事を出しておこう。
結論
「布団派か?ベッド派か?」
結局、世の中カネですよ。カネカネ。
札束敷いて寝たらいいんですよ。
あれ。なんで、涙が出てくるんだろう?
名探偵「フムフム。これでようやく謎がとけました。あと私の腕もとけました。ああ、徐々に右半身が溶けてまりゃありゃるりりゃ~…。」
— 水輪ラテール (@minawa_la_terre) July 6, 2014